(※S端子での接続を試してみています。こちらを参照ください)

当Blogでは「HA-808」を1台につき1つの箱に入れ、9人以上でプレーする場合はケーブルで接続して増設することを前提に設計しています。

本体が分散されていると、別の部屋に分かれて運用したり、「本体~解答ボタン間のステレオケーブルの長さが短くて済むといった利点はありますが、逆に「繋ぎ方を間違えると(まず間違いなく)壊れる」という危険性が残ります。

故障の危険性が目に見えている状態はやはりよろしくありませんので、防ぐにはどうすればいいかを考えてみました。

1.8人(1枚)または16人(2枚)を1つの箱に収める。
冒頭で触れた利点より安全性を優先し、拡張、あるいは分散運用をしない方向性です。
少人数のサークルなら1枚、2部屋に分かれることを想定していないサークルなら2枚の固定運用で充分という気はします。
なお、「必要なときに箱を空けて基盤にケーブルを挿す」というのはお勧めしません。 (内部の配線を意図せず外してしまったりと、余計な故障の原因になりそうです)
2.ケーブルを付けっぱなしにしておく。
常に本体接続のRCA(赤白)ケーブルを付けっぱなし、繋げっぱなしにしていれば、差し間違えの機会自体が無くなる…という考え方(?)です。
(なお、8人以下で3着判定を行う場合は、本体自体を2枚目に接続しっぱなしでも、解答ボタンと判定ボックスを1枚に寄せれば正常に稼働します)
しかしまぁ、これも結局、機会=確率を減らすだけで、分散して使用するケースがあるならその度に注意が必要なのは変わりありません。

3.指す場所を間違えないようなコネクタ・ケーブルを使用する。
RCAケーブルは赤白の色の違いはありますが、形状的には同じものですから差し間違えが発生するわけです。
ということは「左右上下を逆にすると物理的に刺さらない」コネクタ・ケーブルを使えばいいのではないか、というアプローチです。
以下はこの方向でいいものがないか、探してみました。

2.5mmと6.2mmのモノラルケーブル 「物理的に大きさを変えてやれば差し間違えは無い」ということで、解答者ボタンとも異なる大小のケーブルにしてしまうというのが一番無難そうです。見栄えは悪いですが…。
× 2.5mmの3極4芯ステレオケーブル 「2本のケーブルを使うから差し間違えが起きるんだ」と考えるなら、「1本で4つをやりとりできるものを使おう」と気付きます。
3極4芯ケーブルは、RCAでいうところの赤白黄(音声の左右と映像)を同時にやりとりすることが可能です。最近ではむしろスマートフォン等で「音声左右とマイク」に使う方でおなじみかもしれません。

しかし、差し間違えは無くなりますが、形状からして「電源が入っている間に抜き差しすると確実にショートする」という危険性があります。プレー中にケーブルに足を引っかけて…という事故を考えると、止めておいた方がいいと思われます。
× USBケーブル 「電源と信号というなら、USBケーブルでいいのでは」というふうに思いつく方もいらっしゃると思われます。
ただ、USBコネクタの(素人にも扱えるような)キットというのが余り見当たらない上(※1)、[HA-808]の電圧は6~12Vであるのに対し、USBの電圧は5Vが基本(※2)になっていますので、これも止めておいた方が…と。

また、ケースの穴開けの際、USBの口に合った四角い穴を空ける必要が出てきますが、当Blogでは「ピンバイスで空けた丸い穴をリーマで広げる」ことしかやらない前提というのもあります。

※1…一応、2.54mmピッチ⇔USBの変換基板もあるにはあるのですが…(2.0 / 3.0)。
※2…USB3.0以降では2012年に「USB PD」が規格化され、条件によっては12Vもサポートするようになっています。

S端子ケーブル 抜き差しで他のピンとショートすることは考えづらい構造になっていますので、「これなら」とは思うのですが、こちらを見ていただくと、製作・取り付け時にかなり難しいことになりそうなのが判ります。

これまでは「足に付いている穴にケーブルを通してハンダ付け」というやり方でしたが、「ピンにケーブルを直付け」となると難易度も上がりますし、何かの振動でケーブルが剥がれてショートしたらアウトという…。
また、hdmiの普及で、S端子の映像規格自体が過去のモノになりつつありますし、ケーブルもいつまで売っているかという懸念もあります(これはRCAも同様ですが)。

【2019/11/10追記】
実際に試してみました(こちらを参照ください)。

MIDIケーブル S端子(ミニDIN 4p)のコネクタを探した際、類似品としてサジェストされたこちらは足に穴が空いたタイプだったので、ハンダ付けの際にこれまで通りのやり方でいけそうです。
問題はケーブルがS端子ケーブルよりも入手しにくそうというあたりでしょうか。家電より、デジタル楽器を扱っているところならあるのかもしれませんが。
また、S端子は「ミニDIN規格」ですが、こちらは「DIN規格」ですので、取付時のスペースもより多く取ることになります。

ペ​リ​フ​ェ​ラ​ルケーブル DSC_0129DSC_0130

パソコンの内部で電源からDVDドライブ等に電力を届かせるためのケーブルです。
筆者が20年前に[HA-804B]を使用して早押し機を作成した際はこれを使っていました。
右上の写真の通り、形状から表裏を逆に繋げてしまうことはないように出来ています。

延長ケーブルを買ってきて半分に切り、ケーブルをハンダ付けすることになりますが、コネクタ部分が外に垂れ下がって不格好なのが難点です。
また、元々がパソコンの内部で使用するモノのため延長ケーブルにそこまで長いものが無いことと、そもそもこの規格自体が古くなっていて(FDDなどに使用していたのです)、入手が若干面倒になっているのも考え物です。
信号だけ通す もういっそ、届けたいのは「信号」だけであって、電源は本体それぞれにACアダプタを繋げて供給する…というのも手ではあります。これなら、RCA1本で事が足りますので…。

もちろん「ACアダプタが無駄に増える」というマイナスはありますが、2部屋に分かれての運営を考えているなら元から2つ用意しているかもしれませんし。

色々と考えてみましたが、「製作時の難易度」「(交換時も含めた)入手の容易さ」等まで考えると「これだ」というものはなかなかありませんね…。